Nia Archives - Silence Is Loud
YeahYeahYeahs"Head Will Roll"のA-Trakリミックスを大胆にサンプリングした"Off Wiv Ya Headz"(説明がややこしい)が大ヒット、DJ+歌を一人で展開するストロングスタイルのパフォーマンスを披露した昨年の来日公演(バーバリーのスカートがめちゃくそチャーミングだった)も記憶に新しいNia Archives、満を持してのアルバムリリース。
若干24歳にしてゴリッゴリの90'sレイドバックジャングルサウンドがまず耳に響くけど、ジャマイカンの血筋を引くUKアーティスト特有の高揚感と閉塞感?熱さと冷たさ?みたいなものが同居するメロディがいいし、ビートの脇役として鳴ってるギターも湿度高めのUKギタポ!って感じで心地いい。
これを書くにあたっていくつか彼女に関する記事を読んだんだけど祖母がジャングルDJらしい。祖母がジャングルDJ、かぁ。時代を感じちゃう。
Vampire Weekend - Only God Was Above Us
VW5年ぶりの新作。最新技術を駆使してトラディショナルな音楽をコンテンポラリーなポップミュージックのフォーマットにそっと馴染ませる「故きを温ねて新しきを知る」的なサウンドスタイルは相変わらず健在。前作「Father Of The Bride」と比べるとバンドサウンド回帰っぽくて少しだけ初期VWっぽくって楽しい。そして90年代っぽい抜けの悪さが漂うデイヴ・フリッドマン師匠のミックスもいい。
スタジアムクラスのバンドになってもほとんど音楽性が変わらず、メンバーのサイドプロジェクトも活発で、それでいて大きなブランクもなくこうやって本丸のリリースを続けてくれる。それだけでもありがたいのに、なんというか他の同世代・同規模のバンドよりも少し高尚な芸術という感じすら漂う良質な作品を提供し続けてくれる。ポップミュージックの一つの理想形なんじゃないかって思う。
YinYin - Mount Matsu
今年のフジロックにも出演決定しているオランダのインストファンクバンドYinYin。クルアンビンのようなじわじわ平熱を上昇させるようなオリエンタルファンクのバンドかと思ったら、ABBAやジンギスカン世代も喜ぶようなB級ディスコっぽいアプローチの曲もあって楽しい。
アルバムタイトルが"Mount Matsu"、曲名にも"Takahashi Timing""The Perseverance of Sano""Komori Uta"など日本語モチーフも多用されていて、本当は深いコンセプトの行き着いた果てなのかもしれないけど、逆にそこがまたB級ディスコっぽい所以かもしれない。