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The Good,the Bad & the Queen - Merrie Land

ブラー/ゴリラズのデーモン・アルバーン、アフロビートの名伯楽トニー・アレン、クラッシュのポール・シムノン、そしてデーモンの懐刀こと元ヴァーヴのサイモンによる異色バンドThe Good,the Bad & the Queenによる去年リリースの2ndアルバム。

このアルバムのリリース時期から逆算するとレコーディング時期は「Humanz」「The Now Now」というゴリラズのアルバムを2枚立て続けにリリース~2度の来日公演も含めた大規模なワールドツアーを敢行していたころ。なにもこんな多忙な時期に制作しなくても、、、と思うんだが、歌詞の内容やインタビューでも言及しているとおり、これはどうしても2018年にリリースしなければいけない理由(Brixit問題)があった、と考えるべきなんだろう。



世界のリーダーだったころは遥か昔、中も外もボロボロな状態のまま歴史的な選択を迫られているイギリスの現状を、ブリティッシュフォーク、ケルトなどのトラディショナルなフレイバーが垣間見れるノスタルジックなテクスチャで柔らかく包み込んだようなアルバム。このアルバムも含めてここ近年のデーモン絡みの音源はすごく質感にこだわっている印象。





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Elektro Guzzi - Polybrass

オーストリア出身の3ピースバンドElektro Guzzi。2004年のデビュー以来Battlesみたいないわゆる人力エレクトロ系バンドの彼らが、このアルバムではトロンボーン奏者をフィーチャー。



もともとShobaleader Oneのような同期なしの完全人力演奏だったバンドに3本の金管の共振が加わったことで、まるでアナログシンセのようなテクノマナーに忠実な響きになっていて痛快。でそのあたりおそらくメンバーも自覚的で、特にホーンセクションがテクノのフィルタの勘どころを掴んだ演奏を心掛けているのがまた憎い。 呼吸を整えるかのようにゆったりとしたロングトーンで構成されたトロンボーンのアンサンブルからディープハウスっぽい展開になだれ込む冒頭「Backlash」なんか圧巻。



にしてもテクノというジャンルにおいてテクノロジーが進化すると当然サウンドは横並びになっていくから最後にはフィジカルな部分(演奏技術)がクローズアップされる、というのはだいぶ前に予想がついていたんだけど、テクノの成り立ちと逆の進化を遂げるこういうバンドの音を聴くのは楽しい反面、ミュージシャンもリスナーも成熟しきってしまって、もう楽器が弾けない奴らがよってたかって機材をいじり倒して、そのなかで見つけた気持ちいい音が口コミで世界に共有される、みたいなパンキッシュな時代は遠い昔の話になってしまったのかな、と思うとすこしだけ寂しい気持ちになるね。