[有名な僕だけど指さすな]最近聴いてる20251003[柔軟剤を買ってるときくらい]

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LIBRO - なかいま

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LIBROといえば、Tenorio Jr. の名曲「Nebulosa」をサンプリングした「雨降りの月曜」を収録した90年代日本語ラップのクラシック『胎動』しか知らなかった(失礼...)。でも調べてみると2010年代までリリースにブランクがあったものの、その後はLIBRO名義でコンスタントに作品を発表しているようだ。



最新作『なかいま』から遡ってここ数年の作品を聴いてみたんだけど、メロディのフックは当時のまま。全編を通して「過去を悔やまないで、未来に不安を抱かないで、今この日常を噛み締めて」というポジティブなメッセージがリリックの基盤になっている。
西海岸ヒップホップのマッチョイズムとは真逆の「イキらない」「煽らない」「Disらない」ナイーブで詩的なリリックが心地よく、きっと彼くらいのキャリアを持つアーティストがこうした言葉をストレートに打ち出すのは簡単ではないはずなのに...そこがLIBROの魅力なんだと思う。

Franz Ferdinand - The Human Fear

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デビュー時に「Take Me Out」がヒットして以来シングルはなんとなく追いかけていたし、SPARKSとのコラボバンドFFSもかなり聴いていた。けどフランツ名義のアルバムを通してしっかり聴いたのは、そういえば今回が初めてのような気がする。



なんてことない冒頭から一転してQueenのように壮大なサビへと急展開する「Audacious」、彼らの持ち味であるタイトなビートがしびれる「Night or Day」。さらにジプシーミュージック的要素を取り入れた「Black Eyelashes」など多彩な曲が並ぶ。
円熟期を迎えたバンドが今でもいろんなものを吸収して進化し続けている姿が垣間見えて「これこそが彼らの強みなんだな」と思わせられる。

Dolo Tonight - DVD Rental Store

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LA出身のシンガーソングライター、Dolo Tonightのアルバム。タイトルに釣られて去年「Stranger Things」のMVにハマって以来、アルバムのリリースを心待ちにしていた。アルバムを聴きながら情報を探してみたけれど、日本にはまだほとんど届いていない様子。



どの曲も「ちょっとねじれたUSインディーポップ・アンセム!」という感じで最高。その中でも特に耳を引くのが、モテない男のストーカーソング「Hate You Now」。俺の思うポップソングのど真ん中をいく曲で、とにかくかっこいい。(説明が長くなるので定義は割愛)

ちなみにレーベルはEpitaph。Epitaphといえば個人的にはOFFSPRINGやRANCID、BAD RELIGIONあたりの90年代パンク勢、あるいはその後の世代だとBMTHあたりがサウンド的に代表格というイメージがあったけど、こういうソロのアーティストも所属していたり、意外と幅広いジャンルのアーティストが所属しているんだね。(WeezerやThe GardenなんかもいるからLA出身のバンドというだけで束ねているのかもしれないが)

Hardfloor - Still Lost In The Silver Box

a1403211200_10.jpg 結成30年を超えるアシッドハウス界のリヴィングレジェンド、Hardfloorの7年ぶりの新譜。
もはや伝統芸能のようなじっとりねっとりとぶち上がっていくアシッドサウンドは決してマンネリではなく、むしろエヴァーグリーンと呼びたくなる。タイトル『Still Lost In The Silver Box』は、彼らの金字塔『TB Resuscitation』の1曲目「Lost In The Silver Box」を踏襲したもの。聴いているとどことなく同作収録曲のフレーズを思わせるモチーフも登場していて、"再構築アルバム"の新しい形を提示しているようにも感じられる。



彼らの代名詞であるアシッドハウス・サウンドで占められるアルバムの中盤で「Snu Snu 3001」や「Blukuruku」といった、90年代後期に試みていたトリップホップ的アプローチの楽曲が収録されているのも嬉しいポイント。そして何より胸アツなのが長らく欠番扱いされていた「Acperience 6」が収録されていること。若い頃「どんな曲なんだろう?」と妄想していた曲が今になって聴けるのは感慨深い。