2019年よく聴いたアルバム10枚を2回に分けて紹介します。今回は前編5枚。
Floating Points - Crush
フロア即戦力っぽいガラージ風味のベース、エレクトロニカ要素の強いヒプノティックでメランコリックなシンセの旋律、Rephlex直系のダビーでミニマルなビート。90年代の「あの頃のテクノ」が好きだった人にこそ是非聴いてほしい作品。
The Specials - Encore
キング・オブ・2トーンことスペシャルズがリユニオンしたことによって、10代のころからあこがれ続けていたバンドの伝説に30年越しでやっと追いついたことが嬉しくて嬉しくて。そして還暦を過ぎてもあふれ出すテリー・ホールの男の色気。
チミドロ - なのかな?
「踊らせる」という音楽的地肩の強さと「踊らされる」というダンスミュージックに対する本能的な嗅覚、借り物ではない言葉の情報量と質、これらが奇跡的なバランスで合わさった平成最後のマスターピース。しかもそんな作品を奏でるのがこんな気のいい奴らだなんて。嫉妬してしまう。
Vampire Weekend - Father of the Bride
メンバー脱退の影響もあるのか前作までわずかに残っていたUSインディ色は完全に消えたけど世界各地のトラディショナルな音楽を最新のレコーディング技術を駆使して嫌味にならない程度に奏でる「故きを温ねて新しきを知る」的なサウンドスタイルは相変わらず健在。なんというか文化として他のポップミュージックよりも少し高尚な感じすら漂う。
The Good,the Bad & the Queen - Merrie Land
リリースは2018年。アフロミュージックの生き字引トニー・アレン、クラッシュのポール・シムノンというアクの強いメンバーを連れてきて鳴らす音がこんなにメランコリックでレトロな質感なのは紛れもなくデーモン・アルバーンの手腕。