[あなたのドレスの]最近聴いたCD201704[ジッパー外して]

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DYGL - Say Goodbye to Memory Den

今年の邦楽ロック最重要バンドといっても過言ではないDYGLの待望のファーストアルバム。
英語で歌うのがうまいバンドはたくさんいたし、日本以外に海外にも活動の軸を持ったバンドもたくさんいる。サウンドはストロークスっぽいし、そういう意味ではだいぶ既視感があるはずなんだけど、そういう論点で話をすることがバカらしいくらい、なんかもうこのバンドは次元が違う。



ストロークスのアルバート・ハモンドJr.と、ストロークスのプロデューサー、ガス・オバーグの2人がプロデュースを担当、もちろん全曲英詞。CDには日本語訳詞のブックレットが添えられていて、完全に海外のバンド扱い。むしろ「メンバーに日本人がいて、ちょいちょい来日するバンド」くらいのイメージ。シングルをリリースした際、あしゅら男爵の片割れYikiki Beatとどうやって折り合いつけていくのかな、と思ったら結局あっちは解散したみたいだ。

力みがちに自分の斜め前方にある「洋楽」と張り合うんじゃなくて、いまいる足元が洋楽と地続きで、そして日本でもそれが空回りすることなく評価を得ている。こういうのをあっけらかんとやってのけてしまうなんて、本当叶わないなと思う。


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ドレスコーズ - 平凡

ぱっと見Talkng Heads「Stop Making Sense」みたいな新ビジュアルにまずピンとくる。聴いてみると冒頭4曲は「Remain in Light」のそれのような、まさに初期Talkng Headsのお家芸というべき漂うクールな空気とヒューマンの熱量をあわせ持ったアフロロックの瞬間風速。それ以降もまたぐるぐるとPIG BAGや後期Clashみたいな80年代ポストパンク一大絵巻がつづく。M⑨はSting「English Man in New York」のオマージュか。こういう「古きをたずねて新しきを知る」ような作品は信頼できる、というのは俺の経験則から来る勘。



毛皮のマリーズ解散→ドレスコーズを結成した当時、いわゆるストイックなロックがやりたくて結成したんだとばっかり思っていたんだけど、結局さまざまなメンバー形態・音楽性が展開していき、最終的にはマリーズとしての立ち位置と同じようなトリックスターになってて。でもそれは螺旋階段は周回回っていて高い位置にいるような。

志摩遼平のことを2代目「ひとりファシズム」と呼びたい。


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Le Couleur - P.O.P.

カナダはモントリオールを拠点に活動するベトナム系カナダ人の女性ボーカル率いるエレクトロポップトリオによる2016年リリースのアルバム。



うたごころのあるフレンチポップ+エレクトロっぽいサウンドが基調なんだけど、一聴すると火曜サスペンス劇場の劇中BGMのようなM④や、いなたいイタロハウス、Future ClassicやModularにいそうなインディーダンス系の曲もあるし、女性ボーカルがいないと成立しないグループなのかと思えば熱気とともにずぶずぶと奈落の底に落ちていくかのようなダンサブルなインストM⑥"La Fuite De Barbara"もあったりして一筋縄ではいかない印象。

ベトナム系カナダ人というどことなくエキゾチックな顔立ちのボーカリストから歌われる心地よいフレンチポップ、そしてサウンドから漂うビンテージとフューチャーのハイブリッド感。こういうグループ、いそうでいなかった。


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Shobaleader One - Elektrac

スクエアプッシャーの生バンドプロジェクト・ショバリーダーワン。

スクエアプッシャーを語るにあたって、デビュー当初からジャズ/フュージョンプレイヤーとしての側面と、WARP/REFLEX出身のエレクトロニック・ミュージシャンという側面との触れ幅が肝だと思っていて。

リリースされている作品自体はどれもすばらしい作品ではあるけれど、ことライブパフォーマンスに関していえば、なまじっか卓越したテクニックを持ったベースプレイヤーであったため、ベースプレイを優先すればダンスミュージックとしての機動力は薄れるし、ダンスミュージックとしての機動力を重視したらパフォーマンスとしての満足度は下がるし、、、と、あっちを立てればこっちが立たず的な歯がゆい状況だったと思う。少なくとも俺の中では。

そこで登場したのがこの同期一切なしの電飾生バンドプロジェクト。



ファーストアルバムとなるこのアルバムはスクエアプッシャーの代表曲を全曲ライブ録音。その発想は正解だし最高。

パチンコにはまる人は、レバーをまわすだけの単純作業の中で、けたたましいサウンドと電飾の情報が目からインプットされることによって脳が麻痺してしまい泥沼にハマるって言うけれど、手数の多い超絶プレイと、それに完全同期する電飾のマスクが刺激的だった先日の来日公演でのパフォーマンスも、まさにそんな「脳が揺れる感覚」だった。パチンコと一緒にすんな、って話だけども。