Sing Street (Original Motion Picture Soundtrack)
80年代ダブリンのティーンズがTop Of The Popsで見たデュランデュランに憧れてバンドを結成する甘酸っぱい映画「シングストリート」のサントラ。
Duran Duran、The Jam、The Cure etc.80年代に流行った曲がたくさん収録されているんだけど、結成当初の安っぽいニューロマ"The Riddle Of The Model"、Cureの"Inbetween Days"風味の"Beatiful Sea"、シンセリフとモータウンビートがいかにもな"Drive It Like You Stole It"などなど、劇中のオリジナル曲がどれも秀逸。
このテの映画の唯一にして最大のボトルネックは「劇中のオリジナル曲をどう表現するか」という問題で、日本の「Beck」なんてその辺バサッと無音にしてしまい、観ている人たちは皆ズッコケたりしたんだけど、ゲイリー・クラーク作の劇中歌が本当に全部「それっぽい」ものとなっていて、いい仕事っぷり。
とにかくここのレビュー読んでくれてる皆さんはこの映画是非観てくれ。胸がキューンとするから。
De La Soul - and the Anonymous Nobody...
Kickstarterで60万ドル以上の支援を集めて作られたデ・ラ・ソウル新譜。
クラウドファウンディングの話題ばかりが先行していたけど、David Byrne、Jill Scott、Snoop Dogg、Damon Albarn、Pete Rock、Justin Hawkins、2 Chainz などなどバラエティに富んだ豪華客演を迎えつつも、自分たちの音源をサンプリングして作られていて、もともとHIP HOPのマッチョイズムとは相反するところに立ち続けた彼らの音楽が、更にまろみ深いファンクアルバムになっている気がする。
にしても、デーモン・アルバーンってこういうフィーチャリングはもはや常連感あるけど、地味ながら全部持っていく存在感。
Chikyunokiki - Ball
札幌在住のchikyunokiki。エレクトロニカ、フォークトロニカともいいきれないサウンドフォーム、「こう来る」と思っても絶対にこう来ない、「突き抜ける」とおもったら意外と突き抜けない、と思ったらいきなりすごい高みにまでバーン!と裏をつく感じとか「やり散らかし」感が実に気持ちいい。
で、インストでニカなんでしょ?と思ったら歌モノが相当よくって、"select section"とか顕著なんだけど、この人たちの作曲の手クセが個人的にはジワジワくる。個人的にはこのシティポップといなたさのすれすれ感は安全地帯に近い気がする。あ、安全地帯も北海道か。
そしていい湯加減だったアルバムのムードを最後の最後「brown」でバーン!とひっくり返す。やり散らかしの境地。
NO MEANS NO - 0+2=1
先日FB上で解散、というか引退を表明したカナダのパンクバンドNO MEANS NOによる1991年発表の5作目となるアルバム。「パンクバンド」とはいうものの、もっと音はへヴィで技巧的なバンドなので、当時はミクスチャーの括りだったような気がする。
人を食ったような陽気なカントリーから一転してザクザクしたギターに展開する冒頭の"NOW"から始まってYOSHIKIばりの2バスが終始ドコドコ鳴ってる"Joyful Reunion"まで、NWっぽい超絶テクを見せつつも最低限の楽器縛りでパンクのカタルシスを体現した曲群は、25年経った今聴いてもIQ低めで爽快感すら漂う。
結成が1979年、てことはCLASHが「ロンドンコーリング」をリリースした年、日本ではジュディオング「魅せられて」、さだまさし「関白宣言」が大ヒットした年にデビュー、今年で結成37年。。。ライト兄弟の兄貴ロブはすでに60歳を超えていて、引退も仕方がないのかもしれない。でも1回ライブ観たかったなぁ。