[借金の返済日]最近聴いてたCD20151208[今月の月水までさ]

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Best Coast - California Nights

best coastの新譜。結構びっくりした。彼らの持ち味だった「枯れた西海岸」テイストともいうべきローファイなサーフロックがかろうじて垣間見れるのは冒頭の2曲くらい、そのあとはWeezer みたいな90sパワーポップマナーに忠実な厚みのあるサウンドプロダクト。Weezerよりもちょっとボーカルのリバーブが深めにかかってるかな、といった感じ。そういや去年出たWeezerの新譜でもベサニー歌ってたな。



もともと「枯れた西海岸」の中で、ポップでキャッチーな曲を演奏するグループだったけど、ガツッとこっちにシフトチェンジするとは思わなかった。こういうサウンドプロダクトの「大メジャー化」は、ときに大コケするケースもあるけど、ブサメン家庭教師ことボブ・ブルーノが後ろをがっちり固めている限り大丈夫なんじゃないかとおもう。



そして相変わらず日本人の俺でもさまざまな情景が目に浮かぶような、シンプルなんだけど表現力豊かな歌詞。もはやアメリカンセレブの仲間入りを果たして久しい「サンフランシスコのトッポいネーちゃん」ことベサニー、ホントすごい。

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Bart Davenport - PHYSICAL WORLD

日本でも話題のカセットレーベルBURGER RECORDSから去年リリースされたBart Davenport6枚目のアルバムがようやくCDでリリース。



POPには「ネオアコ!」と書かれてて、まぁ確かにシティポップ/ブルーアイドソウル濃度高めのネオアコなんだけど、すこし屈折気味のスタイルカウンシル風味の「Fuck Fame」、井上陽水「リバーサイドホテル」みたいなシティポップ「Girl Gotta Way」とか、とにかくひたすらもっさい。だいたいなんだこのジャケット。全然シティポップ感ない・・・でも、どの曲もいちいち響くキラーフレーズと、まとわりつくような柔らかい声。英語で言ったらbe with you.これはクセになる。

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New Order - Music Complete

MUTEに移籍したNEW ORDER、10年ぶりのオリジナルアルバム。前作「Waiting for the Sirens Call」が10年前・・・えっ、じゃあ「Get Ready」はもっと後ってことか。マジか。

実を言うと俺は「ニューオーダーのファン」ってあまり声高に言えなかった。なんでかって言うと、アルバム1枚ロクに聴いてなかったから。

ニューオーダーの作品で一番聴いているのはベスト盤「サブスタンス」。それから4枚組BOX「レトロ」。オリジナルアルバムでよく聴いた、って言えるのは「テクニーク」くらい?思春期の頃あれだけ胸を痛めながら聴いた「リグレット」だって、収録アルバム「リパブリック」の2曲目がどんな曲だったかすら思い出せない。

そんなリスナーはファンじゃない。俺のバンドのファンがそんなこと言ったら絶対信用しない。だから俺はファンを名乗っちゃいけないと思ってたんだけど、今回のアルバムはアルバム通して聴ける!



ケミカルのトムが共作している数曲がかろうじてそれっぽいけど、とりたてて時代にコミットするようなサウンドでもないし、さして新しいことはそんなにやってない。
そりゃあ「ヴィザール・ラブ・トライアングル」「パーフェクト・キス」「ファインタイム」みたいな場外ホームラン級の曲はないけど、そういう曲が無いからこそのこの安定感。家庭の事情で脱退していたジリアンが復帰したことも、もしかしたら関係があるのかも。とくに後半3曲でグイッと景色が変わるところがいいな。

しかし、このタイトルからすると、これで最後なのかね。



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XTC - Oranges & Lemons

ブルーレイ+5.1chサラウンドのリマスター盤が出たXTC1989発売の俺内大傑作。

初のアメリカでのヒットとなった前作「スカイラーキング」のプロデューサー「ポップ界の魔法使い(真実のスター)」トッド・ラングレンとのレコーディングワークがどうにもパンチ不足で相当不満が溜まっていたアンディが、よりアグレッシブなサウンドを求め、この録音のためにメンバー・家族を引き連れてロサンゼルスに移住するほど力が入っていたアルバムらしい。



確かに「Garden of Earthly Delights」や「Merely a Man」など、アグレッシブ(というかダンサブル)なサウンドメイキングだし、のちにカジヒデキがまるまるパクることになる名曲「Mayor of Simpleton」、Tears for Fearsあたりのパロディとも取れる「The Loving」、大人の余裕と色気まで垣間見れる「ポップなんだけどへんちくりん」の真骨頂「Scarecrow People」、途中から絡むツインドラムが絶妙の「Across This Antheap」、後半怒涛の展開を迎える「Hold Me My Daddy」などなど、牧歌的な雰囲気があった「スカイラーキング」と較べるとエモーショナルでドラマチック。

俺はマニア的なコレクション行為には全く興味がないんだけど、ふと気になって自宅のCDラックをチェックしたら、このアルバムを4枚持ってた。ブルーレイの再生装置持ってないくせに今回のリマスターも買った。これで5枚目。「買い支える」とはこういうこと。今ならiTunesで1600円で買えるから、みんなも買え。頼むから買ってくれ。