[職場はディスコで]俺チャート2015その1[遅番のウェイトレス]

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2015年の俺の10枚、前編5枚。
(順不同)


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Ben Browning - Turns

Modular Recordingsの看板アーティストCut CopyのBen Browningのソロ。Cut Copyの良質なエレクトロポップを更に爽やかに、でもおめでたい感じもなくて、ここちよい初夏の風のような胸がきゅんとするようなバレアリック感。



日本にいると日本が音楽シーン、というかアンテナとしての中心、とまでは言わないけど世界の3~4番手くらい?と勘違いしてしまいがちだけど、実際はだいぶ後ろにいる(というかインターネットの普及以降、NY、ロンドン、パリ、LAetc..以外の音楽シーンが身近になった)というのをここ数年痛感しているんだけど、中でも特にオーストラリアってほんと独特なエレクトロ文化が栄えていて面白いなぁと思ってる。


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Wave Racer - Flash Drive ep

NEON?Future Bass系?の他アーティストと彼とでは、音楽的造詣の深さという意味での「地肩の強さ」が全然ちがう。この手のジャンルのパイオニアにして他の追随を許さない寡占状態になってる印象。



今回の新譜も、ベースラインと和音のコード感がもう完全にフュージョン。日本人だったらタイトルに「ASAYAKE」とかつけそう。このベースラインなんて相当ナルチョ度高い。


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Alabama Shakes - Sound & Color

アナログサウンドの温かみと声の力、先人たちのロックンロールのダイナミズムを濃縮したような無駄のないアレンジ。冒頭のタイトルトラックの出だしから鳥肌立つ。



職業柄、音楽をタイムラインでイメージしてしまうことがあるんだけど、このアルバム聴いているとそれは本当によくないことだなと自戒の念に駆られる。


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Major Lazer - Peace Is the Mission

"Lean On"もバカ売れ、ジャスティンビーバーと組んだJack U"Where Are U Now"は更にバカ売れと、やっぱり今年のDiploの千両役者っぷりはみていて気持ちが良かった。



ライブを観るまでは全く意識してなかったんだけど、「架空のジャマイカ特殊部隊員」というそのでたらめな設定と、最先端のダンスシーンに対する立ち位置みたいなものが往年のKLFに似てるなと思った。根っこの部分はダンスホールレゲエなので、「EDMとかよくわかんねーし」と言ってる90年代テクノ好きにこそ聴いてほしいアルバム。


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Blur - The Magic Whip

ゴリゴリのUSオルタナ「SONG2」やゴスペルソング「Tender」なんかに顕著なんだけど、誰もが「キング・オブ・ブリティッシュ」と疑わないのに、英国以外に由来する音楽をモチーフとした曲のほうが代表曲として名高い、というアンビバレンツさがブラーっておもしろいなぁと思うところなんだけど、香港レコーディング、曲タイトルもアートワークもオリエンタルなムードのこのアルバムも、そういうアンビバレンツな感じに仕上がっている。



ブラーの真骨頂ともいうべき「サフラジェットシティ」感が健在なファーストシングル「Go Out」、デーモンのソロワークとバンドのダイナミズムが凝縮された「There Are Too Many Of Us」、"I wanna be with you"なんてブラーにしては直球過ぎる歌詞だなと思いつつも、ずっと聴いていたくなるような「Ong Ong」etc.どの曲も派手さはないけど、16年もの時を経た彼らにしか出せない円熟味と、隠し切れないポップイデオロギーを併せ持った作品なんじゃないかと思う。本当に彼らはいい歳の重ね方をしたと思う。


後半は後日!