[限界に達してる]俺チャート2015その2[ロス疑惑]

  • 投稿日:
  • by
2015年の俺の10枚、後編5枚。
(順不同)

e58690da10809083f316ed500867db76833150a6.jpg

Pizzicato One - わたくしの20世紀

小西康陽のソロユニットPizzicato Oneの2nd。ピアノトリオがメインとなる最低限の演奏で、市川実和子、UA、YOU、小泉今日子、吉川智子etc.日本有数の「声フェチ」の氏お気に入りのシンガーの声を丁寧に聴かせる内容。それはまるでひとりで聴いているリスナーに語りかけているよう。

東京の街に雪が降る日、ふたりの恋は終わった。 from Lolon on Vimeo.



クラウド上で、あるいは現場で大人数で体験を共有する現在の音楽シーンの主流とは間逆の、ひとりで向き合う音楽。しかもこれを作ったのが、90年代にあれだけモダンな音楽とスタイリッシュなビジュアルで街を「渋谷系」で埋め尽くした張本人・小西康陽だという事実。なんかいろいろ考えてしまった。

302a8ca6128f58f6333ab1dfe34f0edc96a65bf8.jpg

タルトタタン - シロ・デューサー

透明感を通り越して空洞感しかない歌声で歌われる全10曲トータルタイム27分の今年の大傑作。



タルトタタンのことは結局今何人組なのかもわかんないんだけど、あんまりそこは重要ではなくて、進行方向別通行区分のオーバープロデュース、というか進行方向別通行区分のニューアルバムとして捉えるべきだと思う。彼女たちが変に個性を打ち出すことでサブカルオッサンに捕まって相対性理論みたいなことになりませんように。


ded3a5a479e5bd228080e2b2e4ce5f96d55fd03b.jpg

Baio - The Names

Vampire Weekendのベーシスト、クリス・バイオのソロ・プロジェクト。2015年リリースされたアルバムで1枚挙げろ、っていわれたらコレ選ぶかもしれない。



UKっぽい丁寧なダンスビート、サラッと流してしまいそうなのにどこか引っかかってしまうメロディ、そして響きのいいセクシーな低い声。このアルバム自体もとてもいいし、改めてVWの地肩の強さに圧倒される。


fa039b989caa183882b8d15891d5ee7a817136e0.jpg

KITTY, DAISY & LEWIS - The Third

自分の意思で音楽を聴くようになってかれこれ四半世紀以上経つんだけど、数年に一度、追い風の中作られた闇雲な説得力を伴う作品と出会う事がある。初めて俺が出会ったのはレッドホットチリペッパーズの「Blood Sugar Sex Magic」だったと思う。ここ数年、あとから聴き込むうちにジワジワよくなっていくアルバムはあったものの、そういうガツンとくるやつないなーと思ってたら今年あった。



クールでセクシーなサラブレッド3姉弟たちによるルーツミュージック。来日公演も超かっこよかった。個人的にはこのバンドで一番かっこいいのはベースを担当するお母さんだと思う。

e97390463f05d273fa303425c2293a40a60646db.jpg

FFS - FFS

スパークスのもつ上質な漆塗りのような重厚かつ猥雑なぬめりを持ちあわせた光沢感っていうのは、経年劣化(というか、洗練される)してしまう恐れもあったんだけど、ひとクセもふたクセもあるスパークスを料理できて、上品なクドさ、辛らつな皮肉も殺さず、少しだけデタラメな現役バンドって言ったらフランツ・フェルディナントくらいしか思い浮かばない。



ライブでは過去曲もたくさん演奏しているようだし、メイル兄弟もかなりのご高齢なので、何年かに1度でいいから定期的に続けてほしい合体バンド。