[アクション映画の]俺チャート2013(その3)[主役にどうだい]
Crocodiles - Crimes of Passion
カルフォルニアのガレージロックバンドCrocodilesの4枚目。ジャンクでローファイなサウンドの中に60年代風のハーモニー、アシッドなサイケデリック、そしてデタラメな虚無感・・・ホント初期PRIMAL SCREAMとか初期ジザメリみたい(=つまりボビー・ギレスピー!)2013年にこの音が聴けるとは思わなかった。ジャケ買いの引きツヨ。
「Teardrop Guitar」「She Splits Me Up」とかヘボいストーンローゼスみたいだし、それまでのアルバムと比べると、なんというかリズムに闇雲な説得力が備わっているのがマッドチェスターっぽくもあるね。
タルトタタン - グーテンベルクの銀河系
「お前も散々やりくさってたじゃないか」といわれてしまうと何も言い返せないけど、昨今のアイドル・ガールポップに対して、フロントに立つ少女たちのパーソナリティが前面に出れば出るほど、「中の人」たちによる代理戦争の抗争図が見え隠れてして、リスナーとしてはどうものめりこめないでいた。「男の影が、、、」とは思わないけど、演者の女の子たちが一生懸命であればあるほどウラハラに「これは騙されているんじゃないか?」と妙に冷静になってしまう38歳のリアル・・・。
その点、相対性理論辞めマンことアゼル&バイジャン(真部脩一+西浦謙助)を中心としたプロジェクト・タルトタタンは、ファンの人はどう思っているのかわかんないけれども、フロントの女性の存在なんて結構誰でも、どうでもいいんじゃないか、と思ってる。この感覚なんだっけ?と考えていたんだけど、アレだ。レディメイド全盛期の小西康陽だ。フロントの女性が野宮真貴であろうが夏木マリであろうが慎吾ママでであろうが徹頭徹尾小西節。tofubeats、赤い公園、田渕ひさ子、故吉村秀樹他、一見めちゃめちゃな作家陣が並んでも「中の人」の個性が浮き出る部分はまるでブレてない。
それに加え西浦謙助の書く詞が、また本当になめきっててとてもいい。最高すぎる。
La Brass Banda - Live
トランペット・チューバ・トロンボーン・ベース・ドラムで構成されたドイツ・ミュンヘン出身の5人組の、凱旋ライブの模様を録音したライブアルバム。基調はバルカンブラスミュージックなんだけど、どうしてもこの辺りのジャンルの人たちはトラッドミュージックに寄りかかりすぎてしまう(だから演者も客もオッサンが多い)傾向があるのに対して、このバンドはバルカンの熱はそのままに今のダンスミュージックに昇華している(しかもそれは「ミクスチャー」というひと言に収まらない)ところがすばらしいと思う。 CDの内容がそのままYoutubeにあがってんだけど、デカい会場にサークルモッシュがボコボコ巻き起こるのは圧巻。
にしても御大Manu ChaoやCHE SUDAKAをはじめZoot16周辺で盛り上がってるバスク/ジプシーミュージックは日本でも人気だけど、このLa Brass Bandaしかりバルカンブラス寄りの音楽はいっこうに流行る気配がないね・・・ダンスミュージックだと思うんだけどな。