[ユカはバスローブまとって]最近よく聴いたCD 201010[はしたないことしゃべって、今はだっこの形で]

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Jarvis Cocker - Further Complications
ジャーヴィス・コッカーと言えば、90年代一番ハイプでペラっペラだった男だと思うんだけど、数年前のソロ転向からほんとにいい感じで枯れている。

映像はキモ渋スタイリッシュな感じにまとまっているけれどもこのアルバムもイギリスの音楽に対する豊かなボキャブラリー、張り詰めたテンション、永遠を感じるような弛緩もすべてまとめて渋さの中に詰め込んだような、まさに「いい塩梅」のアルバムになっている。かつてポール・ウェラーがそうだったように、いい枯れ方をしたアーティストは長生きする。ジャーヴィスもPULP時代のようにギラギラした時代はもう2度と訪れないとおもうけど、きっとそんな感じの存在になるんじゃないかなぁ。

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Megamix 2010 Mixed by NEWDEAL - ロマンポルシェ
NEWDEAL が手掛けたロマンポルシェ。のメガミックスアルバムがiTunesStoreで叩 き売り状態だったので購入。ライブをきちんと観ているわけでもないし、アルバムもちゃんと追っかけているわけでもないのに全曲知ってた!最近買ったCDで おんなじような状態だったのは嵐のベストくらい。つまり嵐とロマンポルシェ。は俺基準では同レベルのポップミュージックってこと。 掟さんのキャラに良くも悪くも引っ張られているけど、この辺の音はエレポップ大好きなそのすじの人にとっては理屈じゃなくて体が疼く感覚だと思う。平沢進 推す人はロマンさんもがっちり推してほしい。にしてもNEWDEALは最近何でもやってるなー。すごいバイタリティ。むしろそっちの方に感服している。

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CEO - White Magic
つい最近まで活動していたスウェーデンのポップ・デュオThe Tough Allianceの片割れ、Eric Berglundのソロ・プロジェクトCEO。Van sheやthe Drumsを髣髴させるメロディラインと、屈託がなさ過ぎて暴力的に壮大な世界感、80sっぽい空気感、んでそれらが組み合わさることによる仰々しさは皆 無、というちょっとした魔法のようなアルバムだと思う。ModularとSincerely Yoursによる共同リリースというのも納得。特に80年代っぽい甘酸っぱくほろ苦い感じは、ネオ・ネオアコとでも呼びたくなる。

Modularの話題が出てきたついでの話なんだけど、いわゆる「ゼロ年代(2000~2010)」という時代におけるミュージックシーンてどうだったのかな? と最近ぼんやり考えていて。
まだなんの根拠もないしかなりの偏見もあると思うけど、結局のところUK/US以外のシーンが面白かったんじゃねーのかな、という仮説を考えていて。

その仮説を基に考えると、幕開けはDAFT PUNKの「ONE MORE TIME」で、KitsunéやED BANGER RECORDS、 Modularなどに象徴される非UK/US圏のミュージックシーンの隆盛だったり、バスクミュージックの発展だったり、南米の音楽シーンだったり、(で も東京はそこには含まれない感じも含め)なんかすべてがしっくりくるような気がする。そしてそれは決してUK/USの音楽が廃れたわけではなく、インター ネットの急速な発展による「シーン≠場所」という現象の産物と考えてしまえばいいのかなぁ、と。90年代に胡散臭く予言されていた"インターネットの急速 な発展"がこんな感じになる、というのはちょっと予想がつかなかったなぁ。とくにJet、Pendulum、Van SheやCut CopyなどのModular勢などなど、ここ10年間のオーストラリアのミュージックシーンの隆盛は異常。UKよりもUKっぽかった。