LIBRO - なかいま
LIBROといえば、Tenorio Jr. の名曲「Nebulosa」をサンプリングした「雨降りの月曜」を収録した90年代日本語ラップのクラシック『胎動』しか知らなかった(失礼...)。でも調べてみると2010年代までリリースにブランクがあったものの、その後はLIBRO名義でコンスタントに作品を発表しているようだ。
最新作『なかいま』から遡ってここ数年の作品を聴いてみたんだけど、メロディのフックは当時のまま。全編を通して「過去を悔やまないで、未来に不安を抱かないで、今この日常を噛み締めて」というポジティブなメッセージがリリックの基盤になっている。 西海岸ヒップホップのマッチョイズムとは真逆の「イキらない」「煽らない」「Disらない」ナイーブで詩的なリリックが心地よく、きっと彼くらいのキャリアを持つアーティストがこうした言葉をストレートに打ち出すのは簡単ではないはずなのに...そこがLIBROの魅力なんだと思う。