Ibibio Sound Machine - Electricity
ナイジェリア系の英国人歌手イーノ・ウィリアムズ率いるフューチャー・アフロバンド。
辺境音楽の素材を近代ダンスミュージックのプロデューサーが料理する作品はだいたい好物なんだけど、このアルバムはファンク、ディスコ、ポストパンク、エレクトロetc.土着的な部分と都市的な部分との混ざり具合がコラボレーションとして絶妙にいい。誰がプロデュースをやってんだろうと思って調べたらHot Chipだった。納得。(Hot Chipの新作もすごくよかった!)
「I Feel Love」のようにぐるぐる回るシンセベースとのファンキーな歌声、金管とギターノイズがディスコの器の中でせめぎ合うM7「17 18 19」とか最高にいい。
Alvvays -Blue Rev
前作「Antisocialites」にあったポップでメランコリックなシューゲイズ気味のギターサウンド+モーリーの透明感のある声の組み合わせによる極上のギターポップを踏襲しつつ80sシンセを多用していたり、エグめのエフェクトを散りばめた曲もあったり新しい手触りがあって飽きさせない。
ただどんだけ手触りが変わっても過去作の延長線上にあるM2「Easy On Your Own?」みたいな彼女らの魅力がぎゅっと詰まった曲が冒頭にあれば全部オッケー、みたいなある意味大御所バンドの貫禄すら感じる。
The Garden - HORSESHIT ON ROUTE 66
LA出身のベース+ドラムの双子ネオパンクユニットThe Garden。ハードコアパンクにサンプリングやブレイクビーツ、いなたいシンセやハードベースなどを掛け合わした暴力的サウンド、というとずいぶん格好がいいが、実際は30年前のバンドかなと思ってしまうくらいの抜けの悪いLo-Fi 90sサウンド。普通にDAWソフトを使ったとして今どきこんな音出す方がむずかしいレベル。でもたまにM9「Chainsaw the Door」みたいなクリーンヒットをかますところがいい。
2018年リリースの「Mirror Might Steal Your Charm」でかなり衝撃を受けて「洗練されないで欲しいな」と願いながら久しぶりに聴いた新譜、変わっていなくてよかった。
Lady Aicha & Pisko Crane's Original Fulu Miziki of Kinshasa - N'Djila Wa Mudujimu
ちょっと前にSNSで話題になっていたコンゴのバンドFulu Miziki の音源がようやくリリース。
廃材やガラクタを集めてパーカッションにした強靭な辺境アフロビートにチャント、近未来SFっぽい奇抜なファッション。こういったバンドに触れるたびに「見たことないよこんなの、世界は広いなぁ」と感じさせてくれるので辺境音楽はやめらんない。
おそらく映像のフロント2人がLady Aicha と Pisko Craneで、いろいろあってこのアルバム完成後にそれ以外のメンバーは全員脱退してしまいもうこの形態では観ることはできないようんだけど、なんにせよ音源がサイハテの日本にも届いたことに感謝。