[モテたいぜ君にだけに]最近聴いたCD20160503[いつもそればかり考えて]
スカート - CALL
カクバリズムからリリースされたスカートのサードアルバム。
これまでリリースされた作品だって名作ばかりだったけれども、このアルバムはいつものサポートメンバーに加えて、ストリングスやコーラスなどゲストミュージシャンが多数参加して音像がカラフルになったこともあり、小難しいことが小難しく聴こえなくなった印象。
ただ、これ聴く前までは個人的に諸刃の剣だと思っていてて。何でかというと、今まで超インディペンデントな活動を行ってきたスカートにとって、今一番日本で成功しているインディレーベル・カクバリズムからリリースするというニュースを聞いたとき、一人で向き合う音楽だったスカートの音楽性まで微妙に変わってしまうのでは?と思ったから。
そんなことを心配しながら聴いていたんだけど、先にアナログリリースされていた「シリウス」で幕を閉じるまでの12曲38分がびっくりするほどあっという間に過ぎて何も変わってなかった。
Seth Bogart - Seth Bogart
実写版「ピンクフラミンゴ」(実写だけど)とでもいうべき下品なゲイガレージロックバンドHunx & His PunxのフロントマンSeth Bogartによるソロアルバム。burger recordsって、もっといなたいムードのアーティスト多い気がするんだけど間逆の印象。
Hunx & His Punxからプンプン漂う、喉が渇きすぎて焼けてしまうほど下品なオネエ系ファンシーはそのままに、趣味丸出しな80年代エレポップが延々続く内容。元ビキニ・キルのハンナ(久しぶりに名前聞いた)が歌ってる「Eating Makeup」のぺらっぺらで軽薄なエレポップ感とかもう最高。
あとこっちは本人出演のパンストのCM。
JUNIOR BOYS - Big Black Coat
カナダ出身のエレポップデュオJUNIOR BOYSの5年ぶりの新譜。これまでのDominoを離れCity Slangからのリリース。 凍てつく地下室みたいな808の鳴りが気持ちいい"C'Mon Baby"もそうだし、
a-haみたいなシティポップの"Over it"なんかモロそうなんだけど、
テクノロジーとフィジカルの使い分け?がとてもうまいから錯覚してしまうものの、うたごころ的な部分はボビー・コールドウェル的なAORサウンド。そういう懐かしさを大事にしつつも未来を向いてるバンドって素敵。
レピッシュ - ポルノポルノ
レピッシュというと「パヤパヤ(=スカ)」のイメージが先行してしまいがちだけど、インターネットの登場よりもずっと前からフィッシュボーンやマノネグラなど海外のバンドと独自に交流を持ち、英米で流行っていたいわゆるミクスチャーロック的なムーブメントを日本で初めて展開した、洋楽との同期性を持ったバンドで。
音楽的には「熊本ヘンドリックス」杉本恭一と、「浪速のピアノマン」上田現という才気あふれる2人のメロディメーカーのコンポーズのコントラストがバンドサウンドの核になっているんだけど、ホッピー神山プロデュースのこのアルバムは、更にそこにジャンク感というか、デタラメ感というか、河原でエロ本拾った感であふれ返っていて、緩急の振幅がより立体的になって、感情を根元から揺さぶる感じ。
28曲入りのこのアルバム聴くたびに、やっぱりレピッシュって天井知らずの絶倫だなぁって思う。高砂やったらOK!