[モンシロみたいに直接]最近聴いたCD201106[花のひだに密接したいな]

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BATTLES / GLOSS DROP

制作途中で中心メンバー・タイヨンダイが脱退し、「ジ・アザー・スリー」イアン、デイヴ、ジョンの三人体制でアルバムを1からつくり直したという新譜。BATTLESはなんか辛気臭くてちょっと苦手だったんだけど、「キング・オブ・シンセ・ポップ」ゲイリー・ニューマンや、ヤマンタカEyeをフィーチャーするなど、ポジティヴなオーラが漂っていて、聴いていて気持ちいい。いい意味で偏差値低くなった感じ。warpっぽくない。

XTC / Coat Of Many Cupboards

デモ集、レアトラック集、ライブBOXセット、CD付き絵本など「アップルヴィーナス」以降、ここ10年間で正規アルバム以外のコンピレーションが乱発され、いい加減食傷気味で油断してたけど、レアテイク+リマスタリング詰め合わせ4枚組BOXがiTunesにて破格で販売されていたのでゲット。これが素晴らしい。
レアトラック、デモ、ライブ、変名ユニットなどなど節操無いけど、「GO2」リリース前後、坂本龍一とアンディの蜜月だったであろう時期のダブミックスの未発表曲がキレッキレで素敵。デモは完成した曲とは全然違うメロディだし、既存曲のリフが他の曲で使われていたりしてなんとも興味深い。

しかしBOXセットをMP3販売するとか、なんかもう意味がわからない。ユーザーとしては嬉しい限りだけど。

Thurston Moore / Demolished Thoughts

ソニック・ユースのサーストン・ムーアのソロ3枚目はベックの全面プロデュース。ベック自身の「モダン・ギルド」→シャルロット・ゲンズブール「IRM」という、最近のベック・プロデュースものの流れの延長上にある音だろうということは容易に想像できたんだけど、ここまでメロウな内容だったとは予想ができなかった。
実をいうと僕はソニック・ユースの音楽性というものが、いまだにあまり理解できていない。同時期から活躍していたピクシーズやダイナソーJr、そしてニルヴァーナやペイブメントをはじめとして現代までに米国内外に数多存在するソニック・ユースのフォロアーバンドはだいたい好きなんだけど、ソニック・ユース自体は楽曲を包み込む、なんとも言えない不穏な空気、あれが(苦手とかではなく)世界的に支持されている理由がやっぱり理解ができないのだ。

よくソニック・ユースを評する際に使われる「ノイジーでカウンターだけどポップ(キャッチー)」という言葉も、爪痕を残すという意味ではわからんでもないけれど、皆その辺わかって使ってんのかな?とずーっと引っかかってた。

とか言いながら長年ソニック・ユースやメンバーの個々の活動もチェックしてるんだけど、このアルバムはベックのオーバープロデュース感が強くて、僕にとっては逆にスッと入ってくる。サーストン・ムーアを評するのにこの言葉は的外れかもしれないけど、美しいアルバム。