すこし遅くなりましたが、われわれホンダレディ、ニューアルバムをリリースしました。前作「TVTB」に引き続き、今回もホンダレディのライブで大活躍のビンテージ・シンセサイザー、TB-303を大々的にフィーチャーしたんですが、その中でなんと僕の永遠のロックスター、レピッシュのマグミさんにボーカルとってもらった曲が収録されています。いやこれがものすごくかっこいいんだ。憧れの人に歌ってもらえて当人的には感無量であります。また夢が一つ叶いました。全国のCDショップにて絶賛発売中であります。
HONDALADY"303" blue merle/delfi DDCH-2106 \1,680
現在ホンダレディのホームページ上で全曲試聴、ならびに収録曲"UPRIGHTSONG 1995"のPVを配信しています。ものすごいかっこいいので、是非お立ち寄りください。
そして、CD発売記念にライブをやります。調子に乗ってマグミさんにも出演してもらうことが決定しました。もうこんな機会絶対無いと思うので、ずうずうしくもレピッシュの曲もやりたいなんて思っています。予約特典で僕とDieちゃん制作のmix CD のプレゼントなどもあるので、ご興味のある方は是非遊びに来て下さい。
HONDALADY "303" release party! 2006/10/22(日) 渋谷chelsea hotel open/start 18:00/18:30 adv/door \2,300/\2,800(共にD別)
[live] HONDALADY / CLARABELL / peach
[guest] MAGUMI(レピッシュ)
[DJ] ヨシカワタケシ
[お問い合わせ] http://www.hondalady.net/
出会いはNHK「ジャスト・ポップ・アップ」でした。当時、世間じゃ幾何学模様の黒いテレキャスターがバンド少年達の心を鷲掴みにしていたころ、エスニックともコミカルともとれない、なんだかよくわからないイラストのペインティングを施した黒いテレキャスターを掻き毟る恭一さん、その横にはトランペットを吹きながら叫ぶルードボーイ風情のマグミさん、そしてその横にはサックスホルダーに手をかけながらハモンドを弾く上田現さんが写されました。それまで「少年マガジン」と「デラべっぴん」とゲーセン通いしか興味のなかった童貞の僕は5秒で虜になりました。
あわててCD買って、津波のようなセカンドインパクトに襲われつつも何度もリピートし、貰ったお年玉で生まれて初めてコンサートに行きました。
初めて生で見たレピッシュは、どんなに飛び跳ねても、どんなに暴れても、とにかくクールな存在でした。同時期の人気バンド(ユニコーン、ジュンスカ、アンジー、ブルハetc)は、それぞれかっこよかったんだけど、どうも見た目に統一感がなくて、あんまり声高に「好きだ!」といえなかったんですが、全員3つボタンスーツで演奏するレピッシュは、音楽を知らない僕にとっても明らかに「かっこいい」存在でした。そして、そんなクールな人たちが、飛んだり跳ねたりしている様は、もっと幼いころテレビでみた吉川晃司と同じくらいの無茶苦茶さでした。
翌日から、締め切った自室で僕のエアギターの練習がスタートしました。載っていた雑誌は全部チェック、あげくマグミさんとBOOMのミヤさんが表紙の「PIA MUSIC COMPLEX」に載っていたマグミさんのオススメCD50枚を、親から貰った昼飯代をちょろまかして全部コンプリしました。
それからずーっと。ほんとにずーっとレピッシュ追っかけてます。
なけなしの小遣いでチケットを2枚購入し、当時好きだった女の子をレピッシュのライブに誘ったら、その子はドタキャン、結局一人で見に行ったり、新宿リキッドルームでのライブで、98パーセントくらいが女子で埋まるフロアに調子に乗ってダイブして、ステージ前に落ちたところをセキュリティーに引きずられ、パイプ椅子だらけの奥の倉庫でボコボコにされたのもいい思い出です。
レピッシュで1枚選べ!というのはホントに難しいのですが、「破天荒だけどクール」という部分をクローズアップして今日はこのCDを。
音楽的には恭一さんと上田現さん(現在は脱退)という2人の天才コンポーザーが鮮やかな色彩を放っているんですが、この作品はトッド・ラングレンによるプロデュースでニューヨークで録音されたこともあって、鮮やかな色彩にモノクロのフィルターをかけているかのようなクールさを引き出しています。
その結果、「control」「RINJIN」などのアップテンポなナンバーはグルーヴ感が強調され、「fantasy」のようなサイケデリックな曲はより鮮やかな色彩を帯びて聴き手にがんがん迫ってくるかのような感覚に陥ります。バンドブーム全盛の当時、横並びだった同世代バンドから確実に頭一つ、いや体一つ抜き出た、日本のロックの名盤だと思います。15年以上たった今聴いても、まったく古さを感じないところがそれを証明しています。