しばらく前にクロスビートのディスクガイド2005年版を読んで、昔お金がなくてCD買えなくてカセットテープでしか持っていなかった音源を買い揃えたい熱がやんわりと高まっていたときに、小野島大さんの「ロックがわかる超名盤100」を読んで、それが一気にヒートアップして、買うもの買うもの洋邦問わず旧譜ばかりの時期がしばらく続いていました。(これを温故知新と捉えるか、刺激の枯渇と捉えるかはまた別の話なんですが)そんな中で上記の書籍にもとりあげられて特に気になった1枚を紹介。
ユッスー・ンドゥール...西アフリカのセネガルが生んだ世界的ポップ・アーティストであるとともに、アフリカの文化において重要な意味をもつグリオ(音楽の演奏、歌、語りを生業とする家系、らしい)の伝統を継承する家系に属する存在、というよりも日本じゃもっぱら、ホンダ・ステップワゴンのCMソング「オブラディ・オブラダ」を歌っている人、として有名なアーティストです。
先にも話に挙がったグリオだとか、アフリカから世界へ向けてのメッセージとか、ピーター・ガブリエル一派だとか、スパイク・リーとの絡みとか、とりあげるべき争点はいろいろあると思うんですが、僕はこの人の背景のことは全くといっていいほどよく知らないのでここでは割愛させてもらうとして、このアルバム「set」の1曲目のタイトルチューン、各楽器の刻みが怒涛のように重なり合ってグルーヴを構築する、「エスノ」「アフリカン」と一言でいってしまうにはあまりに乱暴すぎるほどに美しいビートの1曲なんですが、初めてこの曲を聴いたとき、ダイソー的にいうと「ザ・日本人」の僕はビートの表拍(1・3拍)まったく分からず、「うわーなんだかテンポ全然とれないんだけど、スゲー!!」みたいな感じで戸惑いを隠せませんでした。
そういった、イントロが裏拍から始まっていて、それをずーっと表拍だと思っていたらボーカル入るころに実は裏拍でしたって曲、80年代に結構ありましたよね。例えばポリスの「ロクサーヌ」、例えばトーキングへッズの「リメイン・イン・ライト」の1曲目とか、あと日本だったらボウイのこれに入ってる曲(名前忘れた)とか。
90年代に入ってからはアシッドハウスとか、テクノ系のアーティストがよくつかう手法だったと思うんですけど、そういや最近あまり耳にしなくなりましたね。まぁテクノ系の場合はそういう小手先のギミックは機能的でない(DJが面倒くさがる)というのは分かるんだけど、ガチャガチャしたギターやピコピコしたシンセなどではなく、強いてあげれば僕にとってはこれこそニューウェイブの真髄的サウンドだと思ってます。
コメント
[レス]
あー、ポリスもトーキングへッズも80年代じゃないですね。すいません訂正します。
マル 2005/06/13 #5633
[レス]
ユッスー・ンドゥールって名前が好き。
しりとりの最終兵器として使えるからね。
NOW! 2005/06/14 #5652