培養期(活動休止)のP-modelから、プロフェッサー平沢進一人が活動再開。その名も核P-model。オフィシャルサイトには「類似品にご注意ください!これはP-MODELではありません。」と注意書きされているけれど、これはどう聴いてもことぶき光が在籍していた「Big body」「P-model」のころのP-modelの音の延長線上じゃないですか!この2004年にM②みたいな音を鳴らすのは、平沢以外にロマンポルシェくらいしか考えらんないよ!いや、揶揄でも皮肉でもなんでもなく、素直に嬉しいんです。
P-modelとしてデビューしてからはや4半世紀の間、この平沢進というオッサンは周りのシーンにまったく目もくれず、50歳になった今も、インナースペースを突っ走りつづけているわけです。いい感じで落ち着くその辺のベテランミュージシャンの老害っぷりとは正反対のベクトルを向いた暴走っぷり。やーすごい。
「いっしょにすんな!アホ!」と怒鳴られてしまうことを覚悟でいうと、WIREやエレグラみたいな大規模テクノフェスティバルも盛り上がりを見せる昨今ではあるけれど、遊びのチャンネルとしてクラブよりもカラオケボックスのほうが圧倒的に多い日本において、ダンスミュージックとしてのテクノが土着しない理由は、「テクノ」というそのネーミングがテクノ・ポップ(ニューウェイブ)を喚起させてしまった点だと思う。その背景には、平沢進のようなすばらしいアーティストがいる、という嬉しい悲鳴的な事情もあるんだろうけど、これが日本におけるテクノミュージックの最大の受難だと思う。あながち間違っていないような気がするんだけど、どうだろう?